計算は速いのに文章題になると手が止まる——このタイプの子には、はっきりした共通点があります。それは「文章を読まずに、数字とキーワードだけを拾っている」こと。「ぜんぶで」ならたし算、「のこりは」ならひき算、と機械的に決めているのです。低学年のうちはそれで正解できてしまうのが、かえって厄介なところです。
キーワード拾い読みが崩れる瞬間
「りんごが5こありました。3こもらいました。ぜんぶでなんこ?」は拾い読みで解けます。しかし「みかんが8こあります。りんごより3こ多いそうです。りんごはなんこ?」——「多い」からたし算、と拾うと間違えます。高学年の割合・速さで文章題が壊滅する子は、ほぼ例外なくこの読み方の癖を持ったまま進級しています。
直し方は「式の前に場面を言わせる」
いきなり式を書かせず、「どんなお話か教えて」と場面を説明させてください。「みかんが8こあって、みかんのほうがりんごより多いんだって」と言えれば、りんごが少ない側だと分かっているので式は自然に立ちます。説明できないなら、読めていないということ。絵や図をかくのも同じ効果があります。テープ図・線分図は中学の方程式の文章題まで使える一生モノの道具です。
家庭での声かけ3選
①「式はあとでいいよ。まずどんなお話?」②「図にかいたら見えてくるかも」③(正解したときに)「どうやって考えたの?」——特に③が重要で、正解の理由を言葉にする経験が、初見の問題への対応力を作ります。答えが合っていても考え方を聞く。これが文章題指導の鉄則です。
練習の進め方
1枚に大量の文章題は不要です。1日2〜3問を、図をかきながらじっくり。文章題プリントメーカーは式と答えを分けて書く形式なので、考えの筋道を残す練習にそのまま使えます。
学年別・文章題のつまずきポイント
小1・小2は「たすのかひくのか」の場面判断、小3は「□を使った式」とかけ算・わり算の使い分け、小4は複数の段階を踏む2段階の問題、小5は割合、小6は速さと比。学年が上がるほど、1つの式で解けない問題が増えます。だからこそ低学年のうちに「図をかいて整理する」習慣を作っておくと、高学年での伸びがまったく変わります。今どの学年のつまずきで止まっているかを見極めて、そこまで戻るのが最短です。
文章題を式にする3ステップ
文章題が苦手な子は、問題を読んですぐ式を立てようとして混乱します。おすすめは3ステップ。①何を聞かれているかを確認する(求めるものに線を引く)②分かっている数を書き出す③図や表に整理してから式を立てる。特に③の「図に描く」が重要です。線分図やテープ図に数を書き込むと、たし算なのかかけ算なのかが見えてきます。式を立てるのは最後。まず状況を絵にする習慣が、文章題を得意にする鍵です。
よくある質問
Q. 図をかきたがりません。
「かきなさい」ではなく、おうちの方が隣で図をかいて見せてください。図で解ける体験を数回すれば、自分からかくようになります。
Q. 答えは合うのに式が変です。
答えより式を褒めながら直すチャンスです。「答え合ってるね。式をこう書くともっと伝わるよ」と、式は考えを伝える道具だと教えてください。
Q. どんな図を描けばいいですか?
線分図やテープ図が基本です。割合なら線分図、全体と部分の関係ならテープ図、と問題に応じて使い分けましょう。
Q. 式は合っているのに答えを間違えます。
単位のつけ忘れや、聞かれたものと違うものを答えているケースが多いです。最後に「何を聞かれたか」を再確認しましょう。
まとめ
文章題は、読んですぐ式を立てるのではなく、①聞かれていることを確認②分かっている数を書き出す③図に整理、の3ステップで解きます。特に「図に描く」習慣が、どの計算を使うかを見えやすくします。式は最後。状況を絵にすることが、文章題克服の近道です。