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割合が苦手な子への教え方|「もとにする量」を見つける練習から

小5・算数公開日:2026-10-17更新日:2026-10-17執筆:学習塾講師

小学5年生の算数で、多くのお子さんが「これだけは本当にわからない」と口にするのが割合です。計算そのものはかけ算とわり算だけなのに、文章題になると、どの数でどの数をわればいいのかがわからなくなる。公式を覚えても、問題が変わると使えない。割合の苦手は、計算力ではなく2つの量の関係を読み取る力の問題です。この記事では、そのつまずきをほどく順序をまとめます。

割合の3つの量をおさらい

割合で登場するのは3つの量です。比べるときの基準になるもとにする量、比べられる側のくらべる量、そしてくらべる量がもとにする量の何倍にあたるかを表す割合。関係は「割合=くらべる量÷もとにする量」です。たとえば、クラス40人のうち10人がめがねをかけているなら、もとにする量は40人、くらべる量は10人、割合は10÷40=0.25です。

この式自体は、多くの子が覚えています。つまずくのは、文章のどの数が「もとにする量」なのかを見分ける段階です。ここを公式の丸暗記で乗り切ろうとすると、数字が大きいほうでわる、出てきた順にわる、といった当てずっぽうが始まります。

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つまずきの正体は「〜の」の読み落とし

もとにする量を見つける手がかりは、多くの場合、文章の中の「〜をもとにすると」「〜の」「〜に対する」という言葉にあります。「ゆうたさんの家から駅までの道のり1200mの30%」なら、もとにする量は1200mです。「定価の20%引き」なら定価が、「去年の入場者数に対する今年の入場者数」なら去年の入場者数が、もとにする量になります。

ここで注意したいのは、もとにする量がいつも大きい数とは限らないことです。「150円は120円の何倍ですか」なら、もとにする量は小さいほうの120円で、答えは150÷120=1.25倍。割合が1より大きくなる問題でつまずく子は、「もとにする量は大きいほう」と思いこんでいることがよくあります。数の大小ではなく、言葉で決めると繰り返し伝えてください。

家庭での練習ステップ

ステップ1:「何倍」の言いかえから始める。割合は、3年生から学んできた「何倍」の考え方の延長です。「12は4の何倍?」「3倍」。この「4の」が、もとにする量です。まずは整数の倍で、「〜の」がついているほうが基準になることを確かめます。次に「3は4の何倍?」と聞いて、0.75倍のように1より小さい倍もあることに触れておくと、割合の小数がこわくなくなります。

ステップ2:文章に線を引いて、もとにする量を先に決める。問題を読んだら、計算の前に「もとにする量はどれ?」とだけ聞きます。答えを出さなくて構いません。もとにする量に二重線、くらべる量に一重線、と決めておくと、毎回同じ手順で読めるようになります。3問に1問、親が言葉の手がかりを指さしてあげるだけでも十分な練習になります。

ステップ3:線分図で関係を見えるようにする。1本の線の上に、もとにする量を「1」として書き、その下に実際の量を書きます。くらべる量がどのあたりにくるかを書きこむと、0.3なら短く、1.25なら1をこえる、と見た目でわかります。図にすると、答えの見当がつけられるので、「割合が5になった」のような明らかな間違いに自分で気づけるようになります。

ステップ4:3つの型をまぜて解く。割合の問題は、割合を求める・くらべる量を求める・もとにする量を求める、の3つの型に分かれます。くらべる量は「もとにする量×割合」、もとにする量は「くらべる量÷割合」です。型ごとに練習した後、最後はまぜて出題し、毎回「もとにする量は?」から始める習慣ができているかを確認します。

百分率と歩合の変換は別に固めておく

割合の問題では、小数で表した割合を百分率(%)や歩合に直す力も必要です。0.25は25%、歩合では2割5分。0.07は7%で7分。1.2は120%です。この変換があやふやだと、関係は理解していても最後の答えで間違えてしまいます。

変換は、関係の読み取りとは切り離して、短時間の練習で即答にしておくのがおすすめです。「小数を100倍すると百分率」「0.1が1割、0.01が1分」と、決まりを1つずつ確かめながら進めてください。文章題の途中で変換につまずかなくなるだけで、割合全体の負担がぐっと軽くなります。

身近な場面で割合を話題にする

割合は、日常にあふれています。お店の「30%オフ」の表示を見たら、「1000円の服なら何円引き?」と聞いてみる。ジュースの「果汁50%」を見たら、「500mLのうち果汁はどれくらい?」と話してみる。買い物の値引きは、もとにする量(もとの値段)がはっきりしているので、割合の考え方をつかむのに向いています。

このとき、答えを正確に出すことより、「何がもとになっているか」を一緒に言葉にすることを大事にしてください。教科書の問題だけでは見えにくい「割合が使われる理由」が実感できると、文章題の読み方も変わってきます。

よくある間違いのパターン

割合の文章題でよく見る間違いを、具体的な数字で確かめておきましょう。「定価800円の品物を20%引きで買いました。代金はいくらですか」。ここで800×0.2=160と計算して「160円」と答えるのが典型的な間違いです。160円は値引きされた金額で、代金は800−160=640円。あるいは、代金は定価の80%なので800×0.8=640円と考えることもできます。求めているのは何かを最後にもう一度読み直す習慣が、この種のミスを防ぎます。

もう1つは、もとにする量を求める問題でかけ算をしてしまう間違いです。「ある数の25%が30です。ある数はいくつですか」で、30×0.25=7.5と答えてしまう。ここで線分図があれば、「25%が30なら、100%はもっと大きいはず」と見当がつき、30÷0.25=120と正しく立て直せます。答えが出たら、120×0.25=30と確かめ算をするところまでをセットにしてください。

まとめ:公式より先に「もとにする量」

割合は、6年生の比や速さ、中学校の数学や理科の濃度の計算にもつながる大切な単元です。苦手なときは、公式を何度も書かせるより、一段戻って「もとにする量はどれ?」を見つける練習を重ねてください。まずは今日の宿題の1問で、計算の前に「もとにする量に線を引く」ことから始めてみましょう。

この記事で使うプリント

小数・百分率・歩合の変換は割合プリント(変換)で即答に。割合・くらべる量・もとにする量の3つの型は割合を求める、くらべる量、もとにする量の順に進め、最後はまぜて出題で仕上げてください。

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